「プレコンセプションケア」を始めませんか?

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更新日:2025年06月02日

「プレコンセプションケア」とは

プレコンセプションケアとは、若い世代のうちから将来のライフプランを考えて、日々の生活や健康と向き合うことです。生涯にわたり、身体的・精神的・社会的に健康な状態であるための取組として、性別を問わず、適切な時期に、性や健康に関する正しい知識を持ち、妊娠・出産を含めたライフデザインや将来の健康を考えて、健康管理を行います。いまの自分だけでなく、将来の自分がもっと健康になることで、豊かな人生に導いていくことを目的としています。

なぜ「プレコンセプションケア」が必要なのか?

プレコンセプションケアに関連する課題は多数にあります。子どもを持つ選択をするしないに関わらず、妊娠・出産に関わる様々なリスクを軽減させる必要があります。人生100年時代を生きるために、プレコンセプションケアを取り入れることは、未来の健康につながっています。

【プレコンセプションケアに関連する課題】

・不妊の増加…「生理不順を放置していた」「生理痛を我慢していた」などが将来の 不妊の原因になることがあります。

・リスクのある妊娠の増加…基礎疾患がある場合、若い女性のやせや肥満の増加、出産年齢の高齢化、喫煙などは、リスクのある妊娠を高めます。

・妊娠に関連する問題…予期せぬ妊娠の場合、身体・精神的負担だけでなく、経済面などの社会的な問題に直面する可能性があります。

 

 

プレコンセプションケア イメージ図

※国立研究開発法人国立成育医療研究センターホームページ「プレコンセプションケアセンター」より引用

実践!プレコンケア

仕事や学校、家事・育児に趣味の時間、やりたいこと、やらなくてはいけないことがいっぱいの毎日で、健康なこころと体はそんな毎日の資源です。プレコンセプションケア(プレコンケア)を実践して、生き生きとした毎日を過ごしましょう。

自分の健康状態を知りましょう

プレコンケアの第一歩は自分の健康状態、身体のことを知ることです。プレコンチェックシートを使って、確認してみましょう。チェックが少なくても問題なしです。気づいたとき、できることから始めて、チェック項目を増やしていきましょう。

 

適正体重を維持しましょう

痩せすぎや太りすぎは不妊や妊娠・出産のリスクを高めます。18歳から49歳の女性の適正体重の範囲は、BMI値で18.5から24.9です。やせ(BMI18.5以下)は貧血や骨粗しょう症の原因になり、肥満は糖尿病や高血圧など様々な病気のリスクを高めます。適正体重を知り、自身の体重を評価することが大切です。幸手市では、保健師による健康相談と体組成測定会を実施しています。

栄養バランスの良い食事をしましょう

栄養バランスの良い食事は、健康な身体を保つ基本です。「主食」「主菜」「副菜」を組み合わせた食事で、色々な食品を食べるようにしましょう。一日に必要なエネルギーを一度に摂取することは難しいです。朝、昼、晩の3回食べることを意識しましょう。幸手市では、管理栄養士による個別相談も実施しています。

また、妊娠を希望する人にとって、重要な栄養素の一つが「葉酸」です。葉酸はビタミンの一種で、ブロッコリーやほうれん草などの緑黄色野菜に多く含まれます。葉酸をしっかりとることで、赤ちゃんの神経管閉鎖障害といった先天異常の予防につながります。赤ちゃんの身体を作るのに必要な葉酸の量を蓄えるのには、1カ月半程度かかるといわれているため、妊娠前からの摂取が望ましいです。サプリメントも上手に活用しながら、しっかり摂取していきましょう。幸手市では、母子手帳交付時に葉酸サプリメントをお渡ししています。

運動習慣をつけましょう

運動習慣は、高血圧や心疾患、肥満、糖尿病を予防し、死亡率を下げることが明らかとなっています。また、適度な運動習慣は病気の予防だけでなく、こころの健康にも効果的です。プレコンケアでは1週間に150分程度の運動を推奨しています。

禁煙しましょう

タバコは、がんや心臓病をはじめ、たくさんの病気を引き起こします。また、男女ともに不妊症のリスクが増加し、特に妊娠中喫煙や受動喫煙は流産、早産、低体重などを引き起こす可能性があります。赤ちゃんの成長発達に深刻な影響を及ぼし、生涯にわたって健康に不利益をもたらします。

タバコを吸わない人でも、喫煙者のタバコの煙を吸うこと(受動喫煙)で健康に影響を及ぼすことが明らかとなっています。

自分のため、家族のために今すぐ禁煙しましょう。

節酒しましょう

お酒は趣味・嗜好品として親しまれている面もありますが、大量のお酒を習慣的に飲み続けると、消化器官だけでなく、脳や心臓などの全身の臓器にダメージを与え、肝障害や脳神経障害などの健康被害を引き起こします。

妊娠中の飲酒は、胎盤を通って赤ちゃんにも影響し、胎児の奇形や発育不全、赤ちゃんが生まれてからも、成長過程の中で、発達の遅れや精神遅滞などが現れることがあります。「この量なら大丈夫」というものは確立していないので、妊娠中は禁酒が原則です。

休息しましょう

「ストレス社会」と言われる現代で、こころの健康も注目されています。ストレスは誰にでもあることですが、溜めすぎると、こころや体調を崩してしまうことがあります。ストレスと上手に付き合うことが大切です。

【ストレスとの付き合い方】

1.毎日の生活習慣を整える…バランスのとれた食事や良質な睡眠、適度な運動習慣を維持することが、こころの健康の基礎固めになります。

2.頭を柔らかくして考える…ストレスを感じているとき、物事を固定的に考えてしまい、問題点や良くないことばがり注目してしまうことがあります。そのようなときこそ、実際にできていることに注目すると良いでしょう。物の見方を少し変えるだけで、気持ちが楽になることもあります。

3.困った時は相談しよう…困った時やつらい時に話を少し聞いてもらうだけで、気持ちが軽くなることもあります。一人で抱え込まず話してみましょう。こころや身体の不調が続くときは、早めに専門機関へ相談しましょう。

【睡眠の重要性】

睡眠には疲労を回復し、ストレスを解消する働きがあります。適切な睡眠時間については、個人差がありますが、成人では7~9時間が推奨されています。睡眠のメリットは、単に疲労回復だけでなく、免疫力アップや記憶力・集中力向上、生活習慣病予防にも効果があると言われています。大人だけでなく、子どもにとっても、いきいきとした毎日を過ごすために、睡眠は重要です。

「感染症」について知っておきましょう

【放置しないで!性感染症】

若い人の間で性感染症が増えています。性感染症の中には、不妊の原因になったり、妊娠中にかかると赤ちゃんの健康に影響を及ぼすものがあります。感染しても自覚症状が出にくく、治療に結びつかないことが多くみられます。感染のリスクを感じたり、気になる症状がある方は早めに医療機関へ受診し、検査を受けて、適切な治療を行うことが重要です。

【妊娠中に感染すると赤ちゃんに影響がある感染症】

妊娠中に感染すると赤ちゃんに影響を与える恐れのある、風疹、麻疹、水痘(水ぼうそう)、流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)等の感染症は、妊娠前にワクチン接種することで予防できます。

感染症は妊娠する女性だけでなく、パートナーや家族など周囲の人も、予防対策を行うことが大切です。気になる症状や出来事があるときは、早期に検査し適切な治療を行い、感染しない・感染させない環境づくりが大切です。

若いうちから検診を受けましょう

妊娠前からの高血圧や糖尿病などの生活習慣病は、妊娠経過や赤ちゃんの健康に影響がある可能性があります。気になる症状がない時、元気なときこそ、定期的に健診を受診し、自身の健康状態をチェックすることが大切です。

2人に1人ががんになると言われている時代、がんの死亡率を下げるために、がん検診を受診しましょう。がん検診は何も症状がない元気な方が対象です。無症状のうちに検診を受診することで、がんの早期発見・早期治療につなげます。検診結果に異常が出たときは、放置せずに医療機関へ受診し、適切な治療を受けましょう。

女性は20代から子宮頸がんの発症率が増加します。子宮頸がんはごく初期のがんを除いては子宮全摘が施行され、妊娠や出産ができなくなること、排尿障害などの後遺症に悩まされることがあります。子宮頸がん検診の受診間隔は2年に1度です。検診に加えて、子宮頸がん予防ワクチンでも、予防ができます。

 

プレコンケアをもっと知りたい方へ

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健康増進課

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電話 0480-42-8421 ファックス 0480-42-2130

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