上戸の蛇打ち・蛇引き

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更新日:2025年01月09日

市指定無形文化財(無形民俗文化財)戸島1丁目(上戸地区)

戸島一丁目の上戸地区では、例年8月の第一日曜日に蛇打ち、8月13日に蛇引きが行われます。この行事は悪い病が流行したときに、地区に入ってくることを防ぐために行われたものといわれています。
〔蛇打ち〕 上戸地区で作る大蛇は1体です。ただし、その長さは30mにおよび、アゴ1つの長さは約140センチメートルもあります。作り終わった大蛇は社殿にぐるりとひと巻きさせ、お神酒を飲ませます。
〔蛇引き〕 当日は朝7時に神社に集合し、子どもも加わり大蛇を地区の東側にある正明院まで運びます。正明院本堂をぐるりと一回りした後、倉松川まで運び行事は終わります。
市域には、辻縄、辻切り、辻固め、春祈祷、大蛇づくりなどと呼び、藁で大きな蛇を模した縄や人形など藁の作り物を大字などの境目に設置したり、社寺に設置したりする行事が、吉田地区と八代地区において、現行で8事例確認されています。いずれも、春から夏にかけて行われる行事で、地域に外から疫病や災厄が侵入するのを防止する除災の目的で実施されるものです。
「上戸の蛇打ち・蛇引き」は、こうした行事の一つです。ただし、他の地域のものと比較すると、(1)8月のお盆に近い時期に行っている点、(2)作られる大蛇の長さは、他のものと比べ長く特異である点、(3)神社で大蛇を作り、香取神社の社殿に巻き付けたあと、地域内を横断し正明院まで運ぶ点、(4)蛇引きには、現在は少なくなりましたが、かつては大勢の子どもも参加していた点などの相違点があります。
このように、「上戸の蛇打ち・蛇引き」は、市域で行われている藁の作り物がある他行事と比べ、地域に外から疫病や災厄が侵入するのを防止する除災という同じ目的があるものの、大字などの境目に設置する方法や、大蛇の長さなど相違点が多く貴重です。

蛇打ち

蛇引き

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