浅間神社本殿の彫刻 付本社再建奉納額

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更新日:2025年01月09日

市指定有形文化財(彫刻)北2丁目 浅間神社

この彫刻は、江戸時代に作られた。作成年代は特定できないが、本殿の再建を記念して奉納された奉納額には、「本社(本殿)」が「大成(完成)」した年代を安政6年(1859)6月としていることから、これと同じ時に奉納されたものと思われる。
本殿を飾る彫刻は、本殿扉や脇障子など随所にある。中でも西側(左面)、北側(背面)、東側(右面)にある3枚の大きな胴羽目彫刻には、「黄石公」、「梅福」、「張良」という、いずれも中国の伝説や歴史に登場する人物が彫られている。このうち、西側と東側の彫刻には奉納者とみられる「青木善六」、北側に「青木吉次」の名前が刻まれている。青木善六は、幸手宿の豪商長嶋屋の当主で、吉次郎はその弟とみられる。長嶋屋は、幸手宿のうち荒宿で呉服商を営み繁栄した商人で、宿場の発展にもつくした人物である。
このように浅間神社本殿の彫刻は、江戸時代の神社装飾彫刻として美術的価値を持つだけでなく、宿場の文化を支えた長嶋屋との関わりを伝える貴重な文化財となっている。

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