牽牛花と幸手
「牽牛花」は、「朝顔」の花のことです。大切な牛を牽いて薬草の朝顔にかえた、という故事に由来するそうです。
朝顔には、「変化朝顔(変化咲き)」といい、花や葉の形の変化を楽しむ鑑賞方法があります。
江戸時代の文化・文政期(19世紀はじめ)に、植物の変わった種類を集めて鑑賞する趣味が人々の間に広まり、栽培ブームが起こります。江戸時代の終わりごろには、栽培熱はさらに高まり、なかでも朝顔にかける情熱と栽培の技術はとても高かったようです。
明治時代になると朝顔の栽培ブームは衰退しますが、明治時代中頃から、再び注目を集め、日本各地に残っていた種類が愛好家の手によって集められていきます。
やがて朝顔の愛好会が東京や大阪などで結成され、優劣を競い合う品評会も開かれるようになりました。
東京四谷の「一六会」もその一つで、同会の支部は幸手にも置かれたことが、最近の調査で判明しました。
幸手の先人たちも愛でた珍しい「変化朝顔」が、幸手の新たな夏の風物詩になるといいですね。
更新日:2021年09月02日