「鬼」を払う節分
今年(令和3年)の立春は、2月3日ですから、2月2日が節分です。
節分とは?
立春だけでなく立夏、立秋、立冬の前の日はすべて節分といっていたのですが、後世には立春の前の日だけをいうようになっています。
節分と「年越し」
かつて、春夏秋冬の四季のうち冬から春になるときが一年の境と考えた時期がありました。そこで節分には、大晦日と同じような年越行事が行われるため、節分は「年越し」ともいわれます。
幸手の節分行事
『幸手市史 民俗編』には、節分の夜になると鬼を払う行事として豆撒きが紹介されています。
それぞれの家では、夕方になると雨戸を全部閉め、一ヶ所だけ細めに開け豆撒きを始めます。年男は、桝を手に神棚をはじめ各部屋など、晦日祓いのときと同じ場所を「福は内、福は内、鬼は外」と大声で称えながら豆をまきます。最後に開けておいた戸のすき間から、外に向かって一段と大きな声を張り上げて「福は内、福は内、鬼は外」と言って、ピシャリと戸を閉めるのです。
節分の「年取り」
豆撒きが終わると撒かれた豆を自分の年の数だけ拾って食べます。この豆を食べると年齢が一つ増えたのです。節分が「年取り」といわれるのも、これに由来します。
鬼を払う儀式「追儺」
新しい年を迎えるため、福を招き、悪い鬼を追い払う厄落としをすることが節分の行事です。
これは、「追儺」という朝廷の年中行事が民間に広まったといわれています。大晦日の夜、悪鬼を追い払うための儀式で、疫病やその他の災難を追放しようとするものでした。
新型コロナウイルスという姿を現さない「鬼」とのたたかいが世界中で続いています。悪い鬼は、早く追い払いたいものです。


追儺の図 政事要略(国会図書館デジタルコレクションより)
更新日:2021年05月06日