戦争を知らない人たちへの贈り物『幸手町のかたりべ』(銃後編)

ページ番号 : 7700

更新日:2020年08月02日

昭和60年(1985)3月、当時の幸手町教育委員会は、『幸手町のかたりべ 第三集』として「銃後編」を発行しました。

「銃後」というタイトルが示すように、その編集方針は、太平洋戦争に従軍した兵士たちではなく、あくまでも戦争当時に幸手に住み暮らしていた人たちの体験を残すことに重点が置かれています。

内容を、目次からご紹介します。

1.銃後を語る(座談会)No.1・No.2

2.出征兵士の歓送や国防婦人会の写真

3.学童疎開の写真

4.銃後の体験記(主婦・農家・勤労者・教員・学徒 合計39人)

座談会(No.1)では、食糧増産のため道端や土手で作物を育てた話や、白いお米が夢に出てきた話などが語られています。

また、座談会(No.2)では、昭和20年(1945)5月に戸島地区に米軍のB29爆撃機から投下された焼夷弾についての証言がまとめられています。

郷土資料館・社会教育課・図書館(本館)で頒布しています(1冊500円)

学童疎開の写真は、昭和19年8月から聖福寺・正福寺・朝萬旅館で受け入れた東京神田区(東京都千代田区)の芳林国民学校の学童たちの写真が掲載されています。

そして、39人の体験者から寄せられた体験談は、まさに圧巻です。発行当時の飯田豊教育長が「いずれも語り継ぐに足る貴重なもの」と評価するように、辛抱や我慢、恐怖や悲しみなど、戦争の時代を生きた庶民たちの心情が伝わってきます。

終戦から75年がたちますが、平和の尊さを改めて感じる一冊です。

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