幸手にあった関宿関所
みなさんは、関所というと、何を想像されますか?例えば、箱根の関所のように有名な観光地にある江戸時代の史跡、というイメージが強いかもしれません。
では、幸手にも関所があったことは、ご存じでしょうか?それが今回紹介する「関宿関所」です。

この関宿関所は、江戸時代、江戸川の右岸、現在の大字西関宿にありました。その後の江戸川の拡幅工事は、川沿い地域の景観を大きく変えてしまい、今は関所があった場所も河川敷の中です。
ただ、江戸時代の絵図にはその姿も描かれ、江戸川の洪水調節のため、川にせり出すように設置された「棒出し」の上に関宿関所の建物が見えます。(『幸手市史通史編1』705ページ参照)
川沿いの関所ですが、街道の関所と同じく渡し場を通る人々の監視も大切な役割でした。しかし、最大の特徴は、この江戸川を往来する川船を監視することにありました。
利根川と江戸川、そして権現堂川などの大河川が集まる関宿という場所柄、関宿関所は、徳川将軍のいる江戸の町の安全を監視していたのです。
今は静かな西関宿ですが、江戸時代は関宿向河岸・関宿向下河岸という繁華な町場でした。当時は、河川を利用し、川船で年貢米や商人荷物などさまざまな物資の大量輸送を行いましたので、物流の拠点である河岸場には多くの人と物が集まり、賑わっていたのです。
川を渡る風は爽やかです。土手沿いにたたずむ「関宿関所跡の碑」へ足を延ばしてみませんか?
更新日:2020年06月02日