桜堤 ふたつの順礼供養塔

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更新日:2020年06月02日

 今年も桜の季節の到来です。幸手の桜といえば、もちろん権現堂の桜堤ですが、実は文化財の宝庫であることは、意外に知られていません。2011年3月に発行した『文化遺産だより8号』に詳しく紹介したところですが、今回は堤の歴史を物語る2つの順礼供養塔について紹介します。
 満開の桜の下、今年は桜堤でちょっと芸術鑑賞というのもいいですね。

順礼供養塔

順礼供養塔

 昭和8年(1933年)に当時の幸手商工会が建てた「順礼供養塔」です。この供養塔は、江戸時代の享和2年(1802年)の大水で人柱となって権現堂堤の危機を救ったといわれている順礼親子と、明治32年(1899年)の順礼樋管決壊による水防活動中の殉職者の供養のため建てられました。

順礼の碑

順礼の碑

 1936年に権現堂川用水路普通水利組合が建てた「順礼の碑」です。こちらは、その美術的な価値が評価され市の指定文化財となっています。
 石の姿は、自然の造形美が活かされ、鏡のように磨かれた円形の面には、あどけなさを残した少女と優しげな母という、2人の順礼親子の姿が刻まれています。この順礼親子を描いたのは、結城素明という明治生まれの画家です。東京美術学校(東京芸術大学の前身)に学び、後に教授として活躍し、多くの作品を残しています。有名な日本画家の東山魁夷らもその薫陶をうけています。

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