関東大震災と幸手町のかたりべ

今から89年前、大正12年(1923)9月1日午前11時58分に相模湾を震源とするマグニチュード7・9の大地震が発生しました。
関東地方一帯に甚大な被害をもたらしたこの地震災害は、「関東大震災」と呼ばれ、市内でも、当時の幸手町(現在の中心市街地)の総世帯数1018世帯のうち全壊家屋が337戸、死者は10名に及ぶ大きな被害がありました。
さて、昭和58年(1983)に刊行された『幸手町のかたりべ 第1集 関東大震災編』には、この震災を体験された当時の住民50人の体験談が手記として掲載されています。
この中で、まず目を引くのは、地震の揺れの記述です。
猛烈な揺れに襲われ、とっさに安全と言われていた竹藪まで逃げようとしても、立って歩けない、まっすぐに歩けないという記述が目立ちます。
当時の地震の揺れの凄まじさが、多くの証言から生々しく伝わってきます。
そのほかにも、あちらこちらで地割れできて、割れ目から水が噴き出した様子、東京を焼け野原にした大火災の火が入道雲に映って真っ赤に染まる様子、さらに倒壊の恐れがあるため家にはいられず、竹藪に蚊帳をつって眠れない夜を家族で過ごした苦労話…。
いずれの体験談も、幸手の災害史を物語る貴重な資料となっています。
『かたりべ』は、社会教育課で頒布しております。「幸手の地震災害の警句」が詰まった一冊をお手元にどうぞ。
更新日:2020年07月21日