幸手のトンボ研究家 長須房次郎氏の貴重なトンボ標本
吉田村大字上宇和田に生まれ育ち、昭和25年(1950)吉田中学校の教員となった長須房次郎氏は、まず生徒と一緒に野草の研究を始めました。
その後、トンボ研究の第一人者、朝比奈正二郎博士との出会いをきっかけにトンボ研究への道を歩み始めます。
以来、植物やトンボの研究家として、埼玉県東部地域における絶滅危惧種の保護活動とともに、希少な動植物の調査研究に努め、標本作りや記録を作成していきます。

コレクション中 最も貴重は標本「ベッコウトンボ」
長須房次郎氏のトンボ標本コレクションには二つの重要な点があります。
一つ目は、1950年代後半から1960年代にかけての利根川流域エリアに生息したトンボ類について、標本を丁寧に作り、正確なラベルを添付した上、適切な保管方法でそれらをよい状態のまま維持管理してきたことです。
もう一つは、調査の詳細を学会誌や同好会誌などに丹念に投稿してきたことです。数多くの発表成果とそれらの記述を裏付けるように現存する証拠標本群とを同時に見ることができる長須房次郎氏のトンボコレクションは、たいへん重要な資産として、トンボ研究者からも高い評価を得ています。
更新日:2023年08月23日