地球環境

【地球(インド洋を中心に左下に南極が白く見える)】
出典:National Space Science Data Center
様々な地球環境問題
地球環境問題とは、
1 被害・影響が一国内にとどまらず他国や地球規模にまで広がる環境問題
2 先進国も含めた国際的な取組が必要とされる開発途上国における環境問題
のいずれか又は両方に当てはまるもので、国際的な協議や対応が進められています。
地球温暖化に代表される気候に関わる問題のほか、野生生物種の減少、海洋汚染、有害廃棄物の輸出などが問題とされています。
気候変動とは
地球は、太古から温暖な時期と寒冷な時期を繰り返してきました。人類が誕生してからも、日本列島が大陸と陸続きになった氷河期や、幸手が海であった温暖な縄文時代などがあり、その後の文明の発展や滅亡にも気候変動が大きく関わっています。20世紀は、世界的に気候が安定した時期でしたが、近年は世界各地で異常気象が多くなっており、地球全体の大規模な気候変動が始まったという危機感が高まっています。
気候変動が及ぼす影響は、
・氷河が溶けて、水源や河川の流れが大きく変わる。
・北極や南極の氷が溶けて海面が上昇し、低い土地が水没する。海流も大きく変わり、海の生態系が影響を受ける。
・気温や降水量が大きく変わり、植生が影響を受ける。
・植生の変化は、生態系全体に大きな影響をもらたす。
・以前からの栽培や漁獲ができなくなる。
・以前からの水資源の確保や治水ができなくなる。
などが考えられます。どれをとっても大きな争いや災害、人の生存の危機になりかねない大変な問題です。
気候変動の確かな仕組みは分かっていませんが、地質や化石などから過去の環境の分析と研究が行われ、様々な仮説や理論が発表されています。
温室効果とは
地球の大気は太陽の光によって暖められますが、逆に宇宙に熱が発散されることで気温のバランスが一定に保たれています。大気の中の二酸化炭素やメタンなどのガスには、その濃度が高くなることにより大気の熱の発散を少なくする効果があります。熱の発散が少なくなれば気温のバランスが崩れて、全体的平均的には気温が上がると考えられます。これを温室効果と呼んでいます。
物が燃えると二酸化炭素が発生します。人類が石炭や石油を大量に燃やすようになったことは、二酸化炭素の発生を急増させました。このことが温室効果を生み、地球が温暖になる気候変動(地球温暖化)を促してるのではないかと考えられたため、二酸化炭素の排出の削減が世界中で叫ばれるようになりました。
オゾン層の破壊とは
強い紫外線は生物の遺伝子や細胞にとって有害で、皮膚ガンの一因ともなっています。地球では、オゾン層と呼ばれる薄い大気の層が太陽が発する紫外線を吸収し、地上の生物を紫外線の害から守る役割を果たしています。近年、このオゾン層に穴があいていることが観測され、生態系や人の健康への影響について危機感が高まっています。
フロンと呼ばれる物質(クロロフルオロカーボン)は、化学変化によってオゾン層の構成物質であるオゾンを分解してしまいます。フロンの利用がオゾン層の破壊につながると考えられたため、国際的にフロンの利用に規制がなされました。
酸性雨とは
大気中に出された汚染物質は化学的に変化し、雨に溶けて硫酸や硝酸となって地上に降ります。これが酸性雨です。炭酸飲料に匹敵するような強い酸性の雨が降る場合もあり、湖沼や土壌、植生をはじめとする自然環境に大きな影響があることから、世界各地で大きな問題となっています。
森林破壊とは
熱帯雨林やシベリアの針葉樹林など、世界には日本列島よりも広い森林があって、自然のバランスの大きな役割を担っています。それらの森林が伐採されることにより、その地域はもとより地球規模の気候に大きな影響が及んだり、水循環や生態系が変化するといった問題が生じています。
森林をはじめとする植物には二酸化炭素を吸収する働きがあることから、上に述べた温室効果との関係も重要視されています。
砂漠化とは
乾燥して植物が育たない砂漠が広がっていく現象です。その地域はもとより地球規模の気候にも影響が及びます。
汽水域の減少とは
河口などの陸・河川・海が接する沿岸の地域は、植物プランクトンを土台とする生命の活動が活発な環境で、温室効果と関係がある二酸化炭素の吸収にも大きな役割を果たしています。文明の発達や開発にも適していることから世界中で失われつつあり、問題となっています。
更新日:2020年03月25日