気象と生活
屋敷林
関東平野の内陸部では、屋敷林で囲まれた集落や住居が各地でみられます。それらは冬の季節風やほこりを防ぐために設けられたもので、日差しや水害を防いだり、生活に必要な物を得ることにも役立ってきました。今では家の作り方や生活の方法が変わったため、屋敷林は減りつつあります。

【屋敷林】 出典:幸手市史自然環境編
光化学スモッグ
関東平野全体で光化学スモッグが問題となっています。各地で発生した汚染物質は海風に運ばれて、内陸から長野県の山地まで広がっていきます。汚染物質である窒素酸化物(NOx)や炭化水素(HC)などが太陽光の紫外線を受けると、東京湾沿岸から内陸方向に運ばれる間に化学的な変化が進んで、光化学オキシダントなどになります。

出典:埼玉県環境管理指針
夏の猛暑
内陸平野部の気候は、関東地方の中でも年間を通じた降水量が少なく、夏は蒸し暑く、冬は乾燥して寒い傾向が著しくなっています。幸手はその典型で、夏には群馬県の山地で発生した雷雨が進んできたり、東京湾からの海風が吹き込んでくるといった山地や海洋の影響も受けています。

【南よりの熱い風】出典:熊谷地方気象台資料
フェーン現象
フェーン現象は、風が山を吹き越えるとき、風下側で気温が上昇し乾燥する現象のことです。地上は上空より気圧が高いので、吹きおりてくるにしたがって空気は圧縮されて温度が上がります。埼玉県では、西風が秩父の山を越えて吹きおりてくる時にフェーン現象が生じて、温度の上がった空気が熊谷付近に流れこんで気温が上がります。

【フェーン現象】出典:熊谷地方気象台資料
更新日:2020年01月14日