ホウネンエビ

ホウネンエビ採集の様子
【注意】採集にあたっては、田んぼの所有者の許可を得るようにしてください。
ホウネンエビってなに?

ホウネンエビ・・・豊年蝦 fairy shrimp
甲殻網無甲目ホウネンエビ科に属します。体長15~20ミリメートルの細長い円筒形で甲を持たず、11対の脚があります。
初夏の頃、水温の高い水田などに出現し、「大発生する年は豊年になる」という言い伝えがあります。
背中を下にして脚のすばやい動きで巧みに遊泳し、色は無色半透明ですが、緑色を帯びることもあります。
(参考:万有百科大事典20 動物、小学館、昭和49年)
ホウネンエビは、エビとはいうもののプランクトンの仲間です。5月下旬から6月上旬の田んぼの中で見つかります。
昭和30~40年代頃までは、どんな田んぼにも見られたといいますが、その後、農薬が大量に使用されるようになって、ホウネンエビは田んぼから姿を消してしまいました。近年、農薬の使用が少なくなるにつれ、また姿を現すようになりました。
ホウネンエビは5月末頃から6月始めにかけて、田んぼの中で見られるのは、わずか1週間程度です。夏・秋・冬と卵の状態で土中に過ごし、次の春、田んぼに水がひかれるとまた姿を現します。
ホウネンエビ観察会
毎年5月中旬に「さって市民環境ネット」のみなさんによる、幸手小学校児童を対象にした環境学習が行われています。
観察会の様子
2019年の環境学習の目的は「身近な環境の生き物をしらべよう」。
観察した野草やホウネンエビは市内で採取されたもの。児童は6グループに分かれ、双眼実態顕微鏡やルーペを使いながら野草やホウネンエビを観察しました。
ホウネンエビの一生や身近な生物の生態系、環境について知り、命のリレーの大切さなどを学ぶ時間となりました。



多くの児童はホウネンエビを見るのが初めて。
「ホウネンエビの脚って22本もあるの!?」
「体長20ミリ!?小さい!」
「2週間しか生きられないんだ…」
など、見聞きしながら多くのことを学んでいきます。

中にはホウネンエビの手に乗せ、
「くすぐったい!」
「小さくてかわいい~!」
と喜ぶ児童も。
手の上に乗せるとその小ささがよく分かります。
更新日:2020年01月27日